壱のなみだ 小口容子『愛のイバラ』
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24min./4:3/stereo/8mm→HD
監督・脚本:小口容子
撮影:小口容子
録音:中川究矢
タイトル画:森泉岳土
音楽:INNER SCIENCE
キャスト:縞野枘/佐藤健人/広沢文/安部芙美子/櫻井一紀/岩谷聡徳
あらすじ
不思議ちゃん好き男子・山田はある日、道端に座っていたマキに、電撃一目惚れする。マキは電波の指令を受けて無茶な行動をする、電波系不思議ちゃんであった。山田は、マキの友人に超高飛車に危険信号を送られるが、山田自身も天然のためそれに全く気付かず、マキへの想いを募らせる。そして、遂にマキの妄想はタクシーで疾走する!!
制作意図
“8ミリフィルム×自家現像×ゲリラ撮影”による、「実験劇映画」!先日、コダック社までも製造をとりやめる、と発表した8ミリフィルムを素材とし、フィルムの物質としての質感を出すため・予定調和でない手動ライブ感を出すために自家現像をし、その結果として現れたフィルムの傷・汚れ・光のムラによるきらめき、を物語の疾走感に合わせて最大限に表現した。「フィルムの実験映画」としてのドラマ、を撮ったものである。
Trailer
監督プロフィール
小口容子 OGUCHI, Yoko
1964年生まれ。19歳より映像制作を開始。1988年『エンドレス・ラブ』がぴあフィルムフェスティバルで入選。2005年『ワタシの王子』がイメージフォーラムフェスティバルでグランプリを受賞。バンクーバー映画祭、ロッテルダム映画祭、レインダンス映画祭等、海外の映画祭でも数多く作品が招待上映されている。
キャストプロフィール
マキ役:縞野枘 SHIMANO, Hozo
監督・小口が、下北沢を歩いていた彼女に一目惚れし、「映画に出て下さい!」と声をかけ、いったん断られるものの、必死の説得により「1日だけなら」という条件で出演してもらった。ちなみに1日だけの撮影は、カメラが壊れたり、移動の道が混雑して夜になってしまったりして、写っていたのが奇跡であった。今回のシナリオは、縞野さんのためにアテ書きした。詳しいプロフィールは不明。
山田役:佐藤健人 SATO, Taketo
1984年生まれ、映像作家。監督・小口が初めて会ったときに、「この人がひどい目に遭う映画が撮りたい!」というS心を掻き立てられ、以来その思いを心中に暖めつつチャンスをうかがっていたが、今回それがシナリオに結実し、夢がかなった。こう見えて、実は2児の父。
Comments
現実の再現性を考えたとき、フィルムの映画だとどうやっても特別な何かになってしまう。
この映画には、これを撮った特別な日常がちゃんと残されていて、へえ、わかってんじゃん、と思った。
何かが始る瞬間の「そわそわした可愛らしさ」がある。
前川麻子(作家/演出家/俳優)
小口という人は、丸坊主になって、ドブ川に飛び込んで“愛”とか叫んだりするような人です。
まぁ、そういうウザい人の作った映画です。
でも、今の世の中、ちょっとぐらいウザいくらいの方が面白いんじゃない?
この際、徹底的にウザくなった方がいいね。ウザいというのは自分も傷つくんですよ。