弐のなみだ 朴美和『いたいのいたいのとんでいけ』
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30min./16:9/stereo/HD
監督:朴美和
撮影:髙橋祐太
照明:伊藤拓
音響:黄永昌
美術:竹内悦子/竹内公一
助監督:遠竹真寛
撮影助手:大坪隆史/相川晋一郎/岡崎孝行
照明助手:竹本勝幸
監督助手:小森塁
美術助手:今井克也
車輌:荻原悠祐
ヘアメイク:みやちひろし
タイトル:高橋亨
音楽:茂野雅道
協力:強瀬誠 (深谷フィルムコミッション) /中嶋義明(中島建設)
企画・製作:JUST FILMS
共同制作:kiki*nene*mama*
キャスト:大川春菜/林田麻里/ミョンジュ/笠原詩織/中水麻緒/野口紗史/丸山隆/丸山敬子/丸山ひとみ/丸山友也/倉本晃/倉本香理/倉本結衣/倉本真輔
あらすじ
まだ補助輪つきの自転車に乗っている小学校1年生の加奈が、両親の不仲を元どおりにしようと、ある行動に出るが…。
制作意図
この映画にはいろいろな傷が登場します。目に見える傷と見えない傷、治る傷と治らない傷。主人公の加奈は家の傷が治ったら、仲が良かった頃の家族に戻れるのではないかと思ったのです。そして心身ともに傷つきながらも、痛みを感じているのは自分だけではないことを知ります。
Trailer
監督プロフィール
朴美和 PARK, Mifa
日本大学芸術学部映画学科卒業。在学中の習作『三河島ジャンケンポン』『東京アリラン』が国内外の映画祭で上映される。仙台短篇映画祭プロジェクト作品『明日』に『ちょうちょ』という作品で参加。現在は国立近代美術館フィルムセンター非常勤職員の傍ら、映画祭や上映会のお手伝いをしながら、脚本を書き続けている。
キャストプロフィール
大川春菜 (加奈役) OKAWA, Haruna
埼玉県出身。劇団ひまわり所属。主な出演歴:映画 311仙台短篇映画祭映画制作プロジェクト『明日』(朴組『ちょうちょ』)、舞台 白石加代子・百物語シリーズ第二十九夜・宮部みゆき二本立て』劇団ひまわり創立60周年記念公演『コルチャック先生と子どもたち』、TV-CM永谷園 、SEIYU『餃子~夫婦ゲンカ篇』など。
林田麻里 (加奈の母・百合子役) HAYASHIDA, Mari
福岡県出身。ラッキーリバー所属。映画『はやぶさ』『アキレスと亀』『ハッピーフライト』『おくりびと』など多くの映像作品に出演。最新作に『桜並木の満開の下に』。
ミョンジュ (加奈の父・透役) Myonju
東京都出身。近年NHKドラマに最多出演を果たしている韓国人俳優。映画、ドラマ、CM、舞台など多方面で活躍。現在テレビ神奈川『まる韓じり』レギュラー出演中。
Comments
「いたいのいたいのとんでいけ」このおまじないは子供の頃、誰もがやって貰った事のある懐かしい響きを秘めている。
だが、少女、加奈が悲しみにくれる母の胸に手を当て念じる言葉には、いたいけな呪文の様な願いがこめられていた。
傷ついた床や机の傷を治そうと、加奈は怪我をした額に貼って貰ったのと同じ様に、バンドエイドを次々に貼ってゆく。
家族の傷を修復させようという願いがこもったバンドエイドは、癒しの精霊が宿っているかの様だ。
加奈の無心な様子が一層、その思いを強く伝えてくれる。彼女の面影が、何時までも脳裏から離れない。
朴美和監督の繊細で優しい眼ざしが、そんな加奈をしっかりと包み込んでいた。
補助輪を外した自転車で、坂道を力いっぱい駆け上がる加奈の瞳が、なんと輝いていることか。
掛札昌裕(脚本家)
娘がつけた壁の傷を、父親が見つけてくれたらいいのに。
「涙」というお題からは、父親が悔いて涙するような展開を
願いながら、見ていました。
でもそうはならないのが、普通の世の中なんでしょうね。